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PROKHROVN

亡国のイージス

ドキッ!男だらけの海上運動会(仮)

戦闘シーンは迫力があるし、艦艇は本物だし、大根役者はおらんし、終映直後に「もう一回見せろ!」と思えたからモー合格!!

そもそもワタクシ、海洋アクションが大好きなのでございますヨ。
潜水艦モノでは「レッドオクトーバーを追え!」「クリムゾンタイド」「U-571」
帆船モノでは「マスターアンドコマンダー」「ホーンブロワーシリーズ」
洋上という閉鎖空間に鍛え上げられた男どもがみっしり詰まっている感じがたまりません。
艦艇そのものも好きですね。
海上自衛隊の艦艇に関してはあんまりな名前が付いているので可哀想になりますが。
(とくに護衛艦「はるさめ」の炸裂っぷりには涙が出ます)

で、「亡国のイージス」ですが、無駄に豪華な出演者を揃えただけあって右を向いても男前・左を向いても男前という、奇跡の護衛艦が作り上げられておりました。

私としては、護衛艦幹部たちの足が長すぎてもうハープーンも発射するならしやがれ、東京もグソーにやられてしまえ、国家安全保障会議どころじゃないわい、といった具合で、物語とは関係ないところでドキドキしてしまいましたよチクショー。
だいたい吉田栄作がスタイル良すぎるんでございますヨ。
海自の夏服を爽やかに着こなしすぎなんでございますヨ。
栄作の隣に並んだら、元メンズノンノモデルという微妙な肩書きを持つ谷原章介ですらちょっと可哀想なことになるんでございますヨ。

と、イランところで興奮させる作用を持つこの映画ですが、
「国を守る自衛隊が専守防衛で大丈夫なんか」
「テロに対して防衛できるんか」
「じつは防衛庁って機構的にデンジャラスなんか」
「アメリカの傀儡になっとる日本に国としての価値はあるんか」
「国ってなんなんじゃい」

とか、そういうことか??

そのわりに真田=先任伍長の、
「生きろ!!」

という一言で誤魔化されているような気がするのは私だけでございましょうか。
いや、先任伍長は素晴らしく信念を貫いておられましたが、映画自体に信念が無いっつーか・・。

登場人物達の背景描写も微。
それぞれについて小出しに出しておいて結局は全部中途半端。
如月がDAISになった経緯はまあ分かるとして、
副長が反乱を起こした理由が「いや、息子がねぇ・・」程度の説明。
(だいたい副長Jr.の論文、あれ論文というよりちょっと硬派なエッセイじゃなかろうか)
最も謎だったのが女工作員。
あれ、誰よ??
なんで如月と海中で接吻してるのだ。
ヨンファの妹か?
それにしても接吻は腑に落ちんぞ。


ダイハードな先任伍長と鉄面皮なヨンファのグソーを巡る肉弾戦は面白かったです。
ヨンファが放ったグソーを何故かやって来た風間海尉が素晴らしい反射神経で空中キャッチしたときは「キャー」ってなりました。
その直後「ギャー」ってなりました。
そらあの高さから落ちたら死ぬよね。
受身取れても死ぬよね。

ワタクシ風間さんの命懸けの大活躍で感情のメータが振りきれてしまって、その後はいくら先任伍長が最後の気力を振り絞って手旗信号を振ろうが、副長が命を懸けて暴走したイージスを止めようが、ふーんってかんじでしたよ・・。
だって実際に東京を救ったのはどう考えても風間さんでございましょ?!

ところでこの映画、かの有名な「ザ・ロック」に似ていやしませんか。
テルミットで護衛艦(アルカトラズ)ごとグソー(VXガス)を消滅させてしまおうとしたところ、如月(メイソン)と先任伍長(グッドスピード)が互いに反発しながらも頑張っちゃってなんとかしちゃう感じが。
今まさに空爆されんとするところを手旗信号(発煙筒)で危機回避しちゃう感じが。

生物兵器を使用したテロとの戦いという状況の相似がそうさせたのでございましょうが、だったらなおのこと自衛隊ゆえにってところを強調して差別化を計るべきだったんじゃ・・。

こうして感想を並べていくと全くの駄目映画のように思われますが、決してそんなことはないんですよ。
テンポが良く、筋の追いやすい話の作りで飽きませんでした。
俳優陣も凄かったですヨ。
ダイハード先任伍長=真田はいつも通り格好良かったし。
副長=寺尾聰は目で語っていたし。
砲雷長=豊原功輔は感嘆モノの演技だったし。
首相=原田芳雄も生臭い感じが素晴らしかったし。
情報官=岸部一徳のほへーっとした演技も素敵。
DAIS部下=池内万作のオドオドもリアル。
ヨンファ=中井貴一の台詞にはいちいち説得力がある。

もう一回見せろ!!
・・というか、冷静に考えれば、原作を読んで分からないところを補完したほうがいいかもしれん。
でもそれって映画としてどうよ??



by c-oichan | 2005-08-21 01:11 | 映画

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